神山吉光が吠える

<第90回>『普天間飛行場移設問題』

2020.02.25


2020年2月25日更新<第90回>



 昨年2月24日の県民投票から1年が経過した。沖縄二紙も連日、関連記事を満載している。

 昨年の県民投票はオール沖縄側の「反対」投票を呼び掛ける独走態勢と県側の投票参加を促す広報活動にも拘わらず、予想外にも52.4%という低投票率で終わった。とりわけ約半数に近い有権者が県民投票を拒否したことになり、県民投票としては迫力不足だった。

 当初、不参加を表明していた宜野湾、石垣、沖縄、うるま、宮古島の5市の投票率は平均で48.48%だった。

 普天間飛行場のある宜野湾市では51.80%、移設先である名護市辺野古の久辺三区(辺野古、豊原、久志)では41.38%と県全体の投票率より更に下回った。

 また、大田知事時代(1996年)の日米地位協定の見直しを求めた第1回目の県民投票が59.53%であったのに比較すれば、昨年の県民投票は民意を決定的に押し測ったことにはならず、決して成功だったとは言えないだろう。

 

 玉城知事も投票率アップの名目で「投票参加」をあれこれと促していたが、知事の選挙公約そのものがそもそも「辺野古反対」であり、「県民投票では反対に投票してください。」と呼び掛けているようなもので、あれでは誰が見ても知事による作為的な辺野古反対運動そのものである。

 また、オール沖縄側による「反対」投票を呼び掛ける新聞広告やパンフレット、そして戸別訪問など徹底した集票活動が辺野古反対票を総じて吸い上げたことは間違いないだろう。「反対」の得票率が71%を超えたことが如実にそれを物語っている。もう無投票者の中には辺野古反対の人はいないのではないかと思わせるくらいであった。

 

 

 開票結果は総投票数605,385人に対して「反対」が434,273票(71.7%)、「賛成」が114,933票(19.0%)、「どちらでもない」が52,682票(8.7%)で、「反対」が確かに総投票数の過半数をはるかに超えたことは事実だ。

 ところがその数字は全有権者総数の1,153,591人からすれば37.6%にしか相当しないことも、今後のためにどうしても記憶しておく必要があろう。

(1996年の第1回目の県民投票では「日米地位協定の見直しと基地の整備縮小」で「賛成」が89.0%で全有権者の過半数を占めていた。)

 

 自民党が最後まで静観することを貫く中で、有権者の中には辺野古移設に「賛成」だが投票率を下げる為に投票場に行かないなど、ある種の思惑があって棄権した人々も大勢いたようである。

 

 昨年の県民投票はそもそも「設問」そのものが、辺野古「反対」をリードするような「名護市辺野古の基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う」ものであったが、仮にその設問を「普天間飛行場の危険除去。全面返還に伴う辺野古代替施設埋め立ての賛否を問う」とした場合は、賛否の投票数に大きな変化が出たのではないかと思われる。

 従って、次の機会には県政野党(自民党)や辺野古推進派が提起して、設問内容を変えて再び県民投票を実施し、もう一度民意を問うてみてはどうだろうか。そうすれば沖縄の真の民意が分かる。