神山吉光が吠える

<第91回>玉城知事は重大な危機感を抱け

2020.07.15


2020年7月17日更新<第91回>

 沖縄県の米軍基地内で新型コロナウイルスの感染症が拡大している問題は、アメリカが世界一の感染国であるが故に、広大な米軍基地を強いられている沖縄県ではたとえ予想されたとは言え、その急激な感染拡大は実に驚きである。

(7月15日現在感染者136人)

 昨今の情報を総合するといよいよ県内全域にも感染拡大が及ぶのではないか大いに危惧されるところだ。従って、沖縄県民は強い緊張感をもって、今後の動向をしっかりと見守る必要がある。

沖縄県議会が迅速に対応

 沖縄県議会は6月10日の定例本会議で、在沖米軍に対して感染防止の徹底と感染者数などの情報開示を求める意見書と決議を全会一致で可決した。
意見書と決議では海兵隊が感染症対策としてアメリカ本国からの移動者を北谷町内のホテルで隔離していることや、報道機関へ新たな感染情報などを公表しないと発表したことを指摘し、そして、①県民の不安解消のため感染者の基地内隔離と外出禁止の徹底 ②米軍関係者の感染者数や濃厚接触者、行動履歴など具体的な情報を開示すること、又、③日米地位協定を改定し、検疫法などの国内法を適用することなどが求められている。

 通常、決議や意見書は所管の委員会に付託して数日も要して審議されるが、今回は事態を重視し、スピード感をもって各派代表者の合意を経て本会議採決へ臨む「最速」の採決方法を選んだという。その結果、米軍は当初、感染人数はおろか新たな感染の事実も公表しなかったが、この頃は米軍側の姿勢にも微かではあるが変化が見られるようになった。米軍も沖縄県議会の素早い対応には驚いたようである。

 議会のこのような迅速な対応は大いに評価したい、ところが問題は行政側である。

玉城知事は脇が甘すぎる

 玉城デニー知事も10日の記者会見で、米海兵隊太平洋基地司令官のウイリァム・パワーズ准将に、①詳細な情報公開、少なくとも発生者数の公表 ②入国する全ての米軍関係者へのPCR検査の実施 ③北谷町のホテルで実施している移動制限措置は原則基地内で実施。基地外で実施する場合は、徹底した管理と人数や期間の明確化 ④基地内の日本人従業員や入国者を受け入れるホテル従業員への感染防止対策の徹底 ⑤外出レベル引き上げなどの5点を要請したと説明している。

 ところが、米軍に要請したのは玉城知事自身ではなく、謝花副知事であったという。県議会で全会一致で可決された重大な事案をどうして知事自身が対処しなかったのか、ここら辺がどうも腑に落ちない、広大な米軍基地を抱える沖縄県の知事の姿勢としては大いに疑問だ。

 新型コロナウイルスの感染は全人類の生命をも脅かす大きな問題であり、県民の命を守るという県政の常道からすれば副知事レベルではないはずだ。
副知事や准将クラスではなく、知事が堂々と沖縄米軍トップの四軍調整官と渡り合うべきであった。

 新聞報道によると、玉城知事は、米側から非公表を前提に聞いた情報を県独自で発表する考えはなく、情報開示は「米側の方針に合わせたいと思う」と語り、また、米軍基地所在の15都道府県でつくる渉外知事会に米軍や政府への要請を沖縄側から提案するのか、という質問にも玉城知事はどういう訳か「週明けにどのよう様に対応するか状況を見たい」との言い方に留めている。その程度のことは知事がその気にさえなれば日数を要することなく、「早速、知事会にも提案したい」と即答できるのではないか。

 

 新型コロナウイルス感染対策で日本は米国からの入国は原則拒否しているが、米軍基地を経由した入国は依然として自由で、また、検疫も米側に委ねられている。

 従って、新型コロナウイルスの感染の危機は沖縄基地に限らず、米軍基地所在の15都道府県にも共通しており、広大な米軍基地を強いられている沖縄県知事が提案することに何の躊躇もないはずである。玉城知事は脇が甘すぎる。

 最近、玉城知事の言動や行動から玉城知事の危機意識の無さと本気度が垣間見えた感がする。(7月17日 記)

<完>

 


ー次回(第92回)は8月更新予定ー