神山吉光が吠える

<第13回>野田首相の来沖時が決戦の舞台

2011.12.15



2011年12月15日更新<第13回>

 師走この頃、県内外のメディアは政治家や官僚たちの不適切発言で大騒ぎだ。野田内閣は沖縄の普天間基地移設問題という日米間の大難題を抱えながら、政治家や官僚たちの失言によって自らの墓穴を掘ってしまった。

 大田昌秀元沖縄県知事は、今回の田中聡沖縄防衛局長の発言に対して「歴史を勉強していて一番感じるのは、沖縄の人々が人間扱いされてこなかったということだ。中央政府の何らかの目的を達成するための質草として、物として沖縄が扱われてきた。」と語ったが全く同感である。

 また、沖縄県議会も「県民はこれまで、米軍基地があるがゆえに、米兵による少女暴行事件や県民の尊い生命が奪われた事件・事故など筆舌に尽くしがたい苦しみと痛み、人権じゅうりんを戦後六十六年間強いられている。」と強い調子の文言による抗議決議を満場一致で可決した。

 過去にもこのような決議幾度となくあった。過去の多くの例を見るまでもなく、政治家、官僚たちたちの不適切発言には、彼らの心の中にある”沖縄差別“という意識が丸々露呈されており、もう、沖縄県民は普天間問題でどんなに政府が手立てをしても納得しないだろう。

 十二月初旬、そんな真最中でも政府はどうしても普天間の「アセス評価」を年内に提出するという。

 しかし、出来るだろうか。野田首相にはもう一度立ち止まって、沖縄側の風向きをしっかりと正確に読み取って欲しいものだ。

 この頃。官僚たちの沖縄詣でが目に余る。政治経歴と沖縄認識があまりにも浅く、あの程度の閣僚、官僚たちを次々と沖縄へ送り込んでも逆効果でしかないことを野田首相は早めに悟るべきである。

 

アリバイづくりなら来沖は慎重であれ


 さて、早晩、野田首相は必ず沖縄を訪問し、仲井眞知事との会談に望むものと思われる。一般閣僚の沖縄詣でと違って、首相の来沖が普天間問題の解決の突破口にならなければ首相の沖縄訪問には何の意味もない。

 そのことは、野田首相も仲井眞知事も共通認識だと思う。それでも野田首相が突破口となる秘策を用意していないとすれば、やっぱり、民主党政権は政権音痴で心許ないと言われても仕方ない。また、首相には可能な限り沖縄に長く滞在し、沖縄県民としっかりと話し合う姿勢を見せることが重要であり、単なる米国へのアリバイづくりなら来ない方がいいだろう。

 野田首相が迷走している普天間移設問題でどのような舵取りをするのか。また、仲井眞知事が野田首相にどのように対応されるのか。首相来沖時の両人の会談が正にその方向性を決める。”決戦“の舞台でもある。1075文字