

仲井真知事が「一二〇%勝つ」と豪語していた六月のあの県議選、知事があのように頑張っていたにも拘わらず、知事の予想が見事に外れ与野党逆転の結果となった。
知事に新たな交渉カード
知事のあの楽観的な発言も与党支持者の足を重くしたことには間違いないが、しかし、あの選挙では、年金問題や後期高齢者医療制度問題で与党では側に大逆風が吹いており、結果は当初からだいたい予想されたことだった。
沖縄では比較的に選挙基盤の弱かった民主党が、公認候補四人全員をトップ当選させたことは、総じて今後の選挙結果を占っているような気がしてならない。
今後、年金問題や後期高齢者問題で自民党政権に大きな政策転換がない限り、来る十一月の那覇市長選挙も与党側にとって大変に首しいのではないか。
若し、与党側が敗北するようなことになれば、その二年後に行われる知事選にも致命的な影響を与えるであろう。
そのように吹いていれば、沖縄は今、正に県政も保革逆転の前夜ということになる。
さて、去る県議選の結果、県議会が四年間の多数野党であることは誰にも動かせない。従って、自らの選挙公約が支持されて当選してきた知事は、その公約の中で直近の民意をどのようにして県政に反映させていくのか。
又、知事が自ら提案した議案を県議会の多数野党とどのように調整を図っていくのか、今後の県政運営の行方を見守りながら仲井真知事の力量に期待したいと思う。
一方、仲井真知事は、むしろこの多数野党になった現象を政府との交渉を決定的に利にする方向に知恵を動かせたらどうだろうか。
「政府よ!言うことを聞かなければ、いつでも基地反対の議会と組むよ」
知事がそのようなスタンスで臨めば政府は必ず知事の位置まで歩み寄ってくる。
「逆も真なり」去る県議選の与野党逆転の結果は沖縄県民が仲井真知事に新たな外交カードを与えたことにもなる。巨大な米軍基地をかかえる沖縄県の知事に「基地反対」と言われれば、わが国の安全保障は絶対に成り立たなくなる。このカードをいかして、効果的に行使するか、正に仲井真知事の知恵の見せどころでもある。