神山吉光が吠える

<第98回>不気味 極まる 中国海岸警備隊「海警局」の動き

2021.03.10



2021年3月10日更新<第98回>


櫻井よしこ氏の「意見広告」を支持
 〈5月 26時間。7月 39時間。10月 57時間。中国海警局の公船が尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海に侵入し、連続して居座った時間です。10月は最長でした。領海外側の接続水域を航行した日数も300日を超え、最多となっています。
 わが国固有の領土にもかかわらず実効支配は風前の灯です。日本政府の度重なる「厳重抗議」は、もはや中国の侮りを受けるだけです。
 たとえ一片でも領土を奪われて動かない国は滅びます。わが国は敗戦時に北方領土を、占領下で竹島を奪われて尖閣で三たび奪われるのを座視してよいのでしょうか。
 バイデン氏は菅義偉首相との電話会談で、米国の日本防衛義務を定めた日米安保条約第5条の適用に言及しましたが、米側発表では尖閣に適用すると明示されていません。米国が自動的に尖閣を守ってくれるというのは幻想です。日本の国土を守るのはあくまでも日本です。
 政府は尖閣の自然環境調査を実施すると言いますが、上陸はせず空撮するだけです。中国を刺激しないという40年来の気概なき姿勢が中国公船の領海侵入を日常化させました。日本政府は尖閣に上陸し、灯台や無線中継施設、船だまりの整備など実効支配を目に見える形で行うべきです。
 このままでは尖閣諸島は北方領土、竹島と同じ運命をたどります。私たちは黙って見ていてよいのでしょうか。〉

 これは櫻井よしこ氏の国家基本問題研究所が昨年11月27日に「尖閣が危ない」と題して、全国紙に掲載した「意見広告」の全文である。
 他国による尖閣諸島への侵入、それはを絶対に許してはならない。筆者は「意見広告」の全文に共鳴し支持する。

海警法は尖閣侵略の「道標」

とうとうと言うか、今年になって中国は2月1日に「海警局」による武器使用を認めた海警法を施行し、いよいよ中国の習政権は同局に対して、尖閣侵略の予行演習とも言える防衛作戦の任務までも担わせることを、国家の政策として認めてしまった。

 従来も、中国側は日本からの厳重抗議を全く無視して、幾度となく領海侵入を繰り返してきたが、特に同海警法が施行された2月以降は、連日のように中国公船は尖閣諸島周辺の接続水域に入り、領海内にも頻繁に侵入している。先月だけでも領海侵入が6日に上り、4年半ぶりの多さだ。更に中国公船は尖閣周辺で毎回、日本漁船を追尾しており、その際、不気味にも大砲のような物を搭載した船も確認されたという。
 この様な状況から、要するに中国の「海警法」の施行は、中国軍による尖閣諸島侵略の“道標(みちしるべ)”だと見た方がいいだろう。

 昨今思うに、中国軍はいよいよ我が国の玄関前まで入り込んで来たかという感じだ。
 沖縄県の尖閣諸島は、歴史的にも国際法上も我が国の領土であることは、今更に論ずるまでもない。従って、中国の海警法の施行は、中国軍による我が国の主権侵害を目論んでいることは誰の目にも明らかであり、我が国はこの際、国際法に違反した中国の蛮行を厳しく糾弾すると共に、国内の法整備を含めて具体的な対処策を急ぐべきである。

ところで気になるのは、尖閣の地元沖縄県の動きだ。
 玉城知事は現状認識が甘く、随分と鈍感のような感じがする。
ここでは一例に止めておくが、沖縄県は中国の海警法が施行されて、3週間も経ってようやく外務大臣を始め、関係閣僚に対して、尖閣周辺海域の安全確保を求めた「要請書」を提出した。その提出方法は、東京事務所の職員による各省庁担当官への手渡しだったというから驚きだ。
 尖閣問題が日中間で否応なく悪化すれば、真っ先に犠牲を強いられるのは沖縄県民である。
 遅きに失しながらでも、玉城知事は尖閣諸島を抱える沖縄県の知事として、尖閣問題を職員任せにするのではなく、知事自ら上京し、辺野古問題の要請と同様に、総理大臣や関係閣僚に直訴すべきである。特に今回のような重大事には緊張感を持って当たってほしいものだ。
 そして、尖閣の地元県には地元県なりの振舞いがある。沖縄県議会も状況の推移を座視するのではなく、速やかに国への「意見書」と中国側への厳重な抗議決議を行うべきである。(完)



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